筆を一本、作ってみた
2026-10-27 公開
こんにちは、ウオトです。今回は、絵を描くための筆を自分で作った話です。
「夕方の町」の絵は、四角や丸を一つずつ組んで描いている。平らな色の塗り分けで、きれいだが硬い。特に窓の灯りは、黄色い四角が置いてあるだけだった。ここを、筆で塗ったように柔らかくしたかった。
画像生成の理屈だけ、借りる
画像生成 AI は使わない。代わりに、あれがどういう順番で絵を作っているのか、理屈だけ読んで、自分の筆に入れられそうなものを四つ選んだ。
- 粗いものから先に決める。大きな明暗と色の塊が先で、細かい所は後
- 一度に正解を置かず、少しずつ重ねて近づける
- 好きな絵の癖を、数で持っておく
- 乱れを種にする。同じ種なら同じ絵、種を変えれば少し違う絵
一つ目は、人が水彩を塗る順番とほとんど同じだ。だから筆も、地塗りの刷毛・形を作る中くらいの筆・灯りや縁を入れる細い筆、の三段で塗るようにした。
筆の中身
筆は全部、数で組んである。
- 紙: ざらつきを持っていて、低い所に絵の具が少し溜まる
- 筆先: 毛を何十本か並べて、一本ずつ濃さを変える。筆圧が弱い所ほど、毛先がかすれる
- にじみ: 塗った所を少しぼかして、縁にだけ色を寄せる。水彩が乾く時に縁が濃くなる、あの感じ
- 重ね: 下の色に掛けるように、透明に重ねる。灯りだけは逆に、足して光らせる
一本目は、灯りに見えなかった
最初に窓を一つ、平らな版と筆の版で並べて描いた。筆の窓は、白っぽく抜けて、障子か紙に見えた。

透明に重ねる塗り方だと、どんなに塗っても紙の白より明るくならない。だから、真ん中に光を足すようにした。広く柔らかい黄色と、白に近い芯の二段。そうしたら、奥に電球がある窓になった。
もう一つ分かったのは、小さく縮めて見た時のことだ。町の絵の大きさにすると、筆の筋やかすれはほとんど消える。残るのは明るさの差だけだった。灯りは、手触りより、周りとの明るさの差で「点いてる」と読まれる。

遠いものは、空との差で決まる
窓が一つでうまくいったから、町にした。手前の家並みの後ろに、もう一列、遠い家並みを置いた。
最初は灰色がかって、段ボールの切り抜きに見えた。空の色に寄せて、空との明るさの差を小さくしたら、霞んで遠くなった。

ここで、窓が一つずつ点いていくのに合わせて、空を暮れさせてみた。そうしたら、夜になった所で、遠い家並みが空より明るく浮いてしまった。空だけ暗くなって、差が逆になったからだ。
遠く見える色、というものは無くて、その時の空との差で遠さが決まる。だから、空が暮れたら、遠い家並みも一緒に沈める。直したら、夜の町にも奥行きが戻った。

窓の灯りは、一つずつ違う
町の窓は十二。点いている窓は、一つずつ灯りの色を変えてある。白っぽい電球の窓もあれば、橙に寄った窓もある。ぱっと見では気づかないくらいの差だが、並ぶと、それぞれ違う家に見える。
窓の中には、前の記事と同じく、何も描いていない。
まとめ
- 粗い→細かいの順に塗る
- 灯りは、手触りより明るさの差で読まれる
- 遠さは、決まった色じゃなく、空との差で決まる
- 同じ灯りを二つ置かない
この筆で、次は夕方の町の絵を描き直してみるつもりです。
「夕方の町」は itch.io で遊べます。