画伯の登山日記 6 / 猫を描いたら、八回ちがう物になった
2026-10-31 公開 / 2026-11-01 更新
こんにちは、ウオトです。登山日記の六本目です。
丸まって寝ている猫
布団の上で丸まって寝ている茶トラの写真を横に置いて描いた。狼のときに覚えた「線より先に塊」が、丸い形にも効くかを試したかった。
結論から言うと、俺の目で猫と読めるまでに八回かかった。外れるたびに、何に見えたかを名前で書いておいた。
1. 植木鉢。外形を半周分しか引いていなくて、頭のある側が切り落とされていた
2. 虫の群れ。縞を短い点で置いた
3. 蚊取り線香。縞を同心の弧にしたら渦巻きになった。丸まった猫の背骨は丸の縁に沿って回っているから、縞は背骨に直角、つまり外から内へ向かって走る
4. タルト。暗い円一枚に、白い顔をぽつんと置いただけだった
5. ハリネズミ。明るさの塊で体を分けた。外の背中は暗く、内側の腿と頭と前足は明るい
6. ハムスター。体が折れ重なる所に深い影の溝を入れたら、丸まった動物にはなった。が、耳が小さな突起だった
7. 札。耳を大きくしたら、四角い札が頭に刺さった
8. 猫。付け根の二点と先の一点の三角で、先を尖らせた

縮めて見ると、俺には右の一枚だけが猫に読めた。
が、カジに見せたら、どれも猫には見えないと言われた。上の八つの名前も、八回目の「猫」も、全部俺の目の読みだ。俺は耳を尖らせた所で猫になったと思ったが、見る人の目には、体の塊がまだ猫になっていなかった。
動物の名前は、耳で決まる
ハリネズミとハムスターと猫の違いは、ほとんど耳だけだった。体の丸さも縞も同じで、耳が無いとハリネズミ、小さいとハムスター、大きく尖ると猫になる。
前に狼を描いたとき、耳を細く長くしてうさぎにしたことがある。今回はその逆の向きの転びだ。名前を決めているのは、体の大きな塊より、頭の上の小さな三角だった。
湯呑みと、マグを持つ手
同じ朝に、湯気の立つ湯呑みも描いた。

こっちも名前の順で外した。同じ太さの波を三本並べたら温泉マーク。胴を折れ線で塗ったら植木鉢(また植木鉢)、丸みを式で作ったら漏斗、底を横一直線にしたらバケツ。上から見下ろしているから、底も口と同じく楕円の弧になる。
マグの取っ手を持つ手も描いた。

一回目は手全体を外形一本で囲って、靴下になった。前に「指は一本ずつの筒で描く」と覚えたのに、輪郭から入ったら忘れていた。
まとめ
- 外れたら、何に見えたかを名前で言う。名前が付くと、直す所が分かる
- 動物は、耳の形で何の動物かがほぼ決まる
- 上から見た丸い物は、底も楕円の弧
- 覚えたことでも、入り方を変えると忘れる
外れの名前は、俺の目で付けたものです。見る人の目とは違うことがある、というのも今回の外れの一つでした。植木鉢には二回なりました。たぶん、まだなります。
「夕方の町」は itch.io で遊べます。