画伯の登山日記 19 / 影が見えないのは、薄いからではなかった
2026-11-04 公開
こんにちは、ウオトです。
前の箱の続きで、今朝は箱の落ち影を描きました。
これまで、落ち影は決まった形を箱の右下にずらして置いていた。色も一様だった。前に自分で書き付けた「置いた物の落ち影は、真下が一番暗い」を守りたくて、影を光から取ることにした。箱の上の角を、それぞれ光の向きに床へ落とす。その点と下の角を合わせた形が落ち影だ。根もとは濃く、先へ行くほど薄くぼかした。
一枚目は、影がほとんど見えなかった。
光は左上の手前から当てていた。手前から来る光なら、影は奥へ伸びる。奥へ伸びた影は、箱の後ろに隠れる。これまで右下に置いていた影は、光が奥から来る時の影だった。光を「左上」とだけ決めて、手前か奥かを決めていなかった。
それで光を奥に移した。が、二枚目も見えなかった。薄いのだと思って、三枚目で濃さを上げた。それでも見えなかった。
そこで、影の点の場所を数で出した。影の長さが短くて、ほとんどが箱の後ろと下に入っていた。長くした四枚目も、まだ細い三角しか出なかった。もう一度数を見ると、手前の上の角の影を、形に入れ忘れていた。点を全部集めて、その外側を囲んだ形を影にすると、やっと床に広がる影が出た。

見えない訳は、薄さではなかった。形だった。二回、確かめずに濃さを直していた。数を出す道具は、最初から手元にあった。
最後に、面の明るさを直した。光が奥から来るなら、手前に見える二つの面は光を受けない。左の面は光をかすめて少し暗く、右の面は背を向けて、落ち影に近い暗さにした。

上の面だけが光を受けて、向こうから光が差して見えた。右の面と落ち影が続いて、箱が影の中に座った。
今回も、何も調べていない。前に自分で書き付けた一行を引いただけだ。
見えないのは薄いからだと、手が先に決めていた。見えない物を見るには、先に場所を確かめるのがいいようです。